2011年3月9日水曜日

3年目のモータ不調

傷心旅行とか行きたい.N2Oタンクの中の人です.


昨日,冬の打ち上げ実験から帰宅致しました.結果は公式サイト(場所不明)とかご覧になっていただければ分かるかと存じますが,23号機は所定高度に到達せず,24号機は最終シーケンスでトラブって推進剤カラッポというどうしようもない状態です.

23号機は一応トラブルなく運用できたものの,モータの定格性能が出ず,カス以下になっているらしいので,どうしてこんなザマになったのかは考察が必要です.せめてもう少し射点環境が極端でなければ,楽なのでしょうが・・・例えば秋の能代とか(何)

24号機では,酸化剤の充填時に盛大なリークを生じ,ボンベ1本まるごとカラッポにするというどうしようもない失態でミッションをオシャカにしました.原因は図面不良と検品不良.寸法値で0.5mmの違いというのは目視ではなかなか気付けず,設計値からすると冗談にもならないほどの違いです.

今回は総じて,モータの品質面で落第点でした.ここのところは地上試験での性能は良くなっているのですが,打ち上げ試験での品質が相変わらず今一.難しいものです.

特に今期のモータは運用性に重きをおき,実験できちんと使える高性能なモータを目指して開発してきただけに,落差にショックを禁じ得ません.あとこれは無根拠な話ですが,「新型モータを投入した回」のほうが良い成果が上げられている気がします.決してもっとモータ作りまくらせろというごり押しではありません.

現地では精神論的な話題が多く飛び交います.例えば「オレンジ色は縁起が悪い」とか「プラグ挿す前に念じろ」とか.

精神論を語る時には,「人事を尽くして天命を待つ」状態である必要があると感じています.私にはまだ早いかなと思いつつも,口に出さずに居られません.だってにんげんだもの(開き直り).


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ところで,気付けば私が好き勝手ロケットをやっていられる時間もあと1年しか無いようです.
ここ2年ほどは高々度化を志向して,飛ぶ機会もない大型モータばかり企画検討してきたのですが,最後くらいは飛べるモータを作りたいなあと思っています.

できれば3000Ns級以上が良いですけど,これはもう私の感情以上の意味を持ち得ません.私が入学する直前に打ち上げたクラスが3000Ns級だったから,それを超えたい.それだけです.