2017年7月15日土曜日

やぁ

どうも、段ボールの中の人です。

あと一ヶ月くらいで能代宇宙イベントですね。
打上げに向けて各団体では準備や燃焼実験が着々と行われているようです。

打上げや燃実といえば各種不具合&不点火祭り。
もしかしたら燃実や打上げでちょこっと何か参考になるかも知れないので、HyperTEK派生型のGSEのトラブルシュートについて書きたいと思います。(もうおせーよ!と云われるかも知れませんが
The 乱文かつ古い情報も有るかもですがゆるしてください。また、ご指摘があればお願いします。


1. リーク
リークは、以下の方法で見つけることができます。
・音:
シューッという音がかすかに聞こえる。打上げ実験の際は発電機が近くで動いているので、聞こえないこともあるので注意。
・漏れ検出液:
リークしてそうな継手に液を掛けると泡が出る。
・圧力計による確認:
リーク・チェックをしたい系に大気圧より高い圧力でガスを充填し、系を封鎖します。この時、系に設置した圧力計の指す圧力が低下しなければ、系からリークは起きていないことが分かります。もしリークが起きていた場合の具体的なリーク箇所の特定には、前述した漏れ検出液を用います。

リークしていたら、まずその配管のガスを抜いて、リーク箇所の配管を増し締めします。

Swagelokなどのダブル・フェルール型などの継手や、フレア継手は、適正なトルクを掛けて増し締めすればリークは発生しません。普段締めないような尋常じゃない力で締めないといけない状況は、継手が破損していると見るべきで、継手を交換すべきです。

クイック・コネクツでリークが起きる場合は、中のOリングが劣化している可能性があるので交換します。

テーパねじの継手は、シールテープが使われていますが、リークの原因は巻かれているシールテープが劣化していることが多いです。リークしている場合は、一度継手を外して、シールテープを巻き直して、締め直します。シールテープの巻数の規定は見たことが無いですが、おおよそ2巻~3巻くらいだと思います。4巻以上巻かないといけない状況は、オスネジとメスネジの規格が合っていないか、継手が破損している可能性があります。

平行ねじ継手は、ガスケットによってシールしているので、ここからリークする場合は、ガスケットに凹みや傷が出来ていることが多いです。この場合は、ガスケットを新品に交換してください。


2. 接触不良
接触不良による不具合は、GSEの不具合の中でよく有る不具合かな、と思います。
接触不良は機器同士の接続、バッテリとの接続、イグニッション・ワイヤとの接続などあらゆる接点で発生します。接触不良による動作不良は、再現性が無いことも多いので厄介です。
GSEは実験の都度、分解と組立を行うので、接触不良が起きやすいシステムなのではないでしょうか。

接触不良箇所は導通確認や電圧確認で特定することができます。

恒久的な対策としては、端子の形状を繰返し脱着に強いものに交換することが良いと思います。最近では色んな大学のGSEでこの対策が行われているのを見ます。


3. 不点火
不点火の原因は正直ナゾです。
「不点火だったモータからイグナイタを取り出して、イグナイタ単体で試験するとちゃんと火が着く。もうよくわかんない」という話は結構聞きます。

短絡させたいワイヤ間の距離を適切に保つために、剥いだワイヤの先端をマスキングテープで覆うという対策がTHRの自作モータでは長く行われていますが、他の団体で頻発している不点火に対してどの程度有効なのか?というのは良く分からないです。

また、ランチステムからN2Oを充填すると、ランチステムが冷えてランチステムは結露すると思います。ランチステムにイグナイタを貼り付けているところもあると思いますが、その場合、結露したランチステムでイグナイタが濡れた状態になっていることも想像できます。もしかしたら、HyperTEKのグレインにイグナイタを予め接着して、ランチステムから離すというのも良いかも知れません。季節によって不点火の回数は変わるのか?というのは調べてみると面白そうですね。

そもそも、ワイヤに高電圧を掛けてスパークさせて点火する現状の方式自体がダメという可能性も十分に有るので、CAMUIのように電熱線で点火する方式に切り替えるというやり方も検討して良いと思います。




以上、最近リゲインの炭酸水割りが気に入っている段ボールの中の人でした。