2009年10月16日金曜日

最近の若者

WBS(テレビ東京のビジネス系ニュース番組)で、雇用情勢の悪化が報じられていました。
完全失業者と、前政権による雇用対策がなければ失職していたと思われる人の合計は、全体の9%近くに上るそうです。
(9%というのは米国の失業率とほぼ同じだそうです)

特に若者の失業率が高く、10代~20代の失職者は9%かそれ以上と言われています。
僕らと同年代の10人に1人は働こうと思っても仕事がないのです。

番組では日本と欧米諸国の職業訓練所に関する違いにも触れていました。
欧米では「企業が要求するスペック」まで叩き上げるステップアップの場であるのに対し、日本では基本を習得するレベルまでの「セーフティネット」に過ぎないというのです。
職業訓練所でコンピュータを利用した設計(CADのことでしょう)を習った若者が仕事に就けないという話を例として挙げていました。

「3次元CADの中の人」を名乗る僕は、大学2年の頃に3DCADについて自分で調べ、フリー版をダウンロードして使ってみたり、有料の教育版(ただしCADとしては破格)を買って使ってみたりしました。
誰かに教えてもらったわけではありません。自分で勉強しました。
今ではロケットの設計のほとんどの部分でCADの支援を受けています。
「3次元CAD利用技術者試験1級」という資格を得ることも出来ました。

(よく、「CADが使える=設計が出来る」だと勘違いしている人がいます。実際にCADを利用して何かを設計してみればすぐに分かりますが、これは大きな間違いです。CADが使える、というのはコンピュータの中に自分の望む形状を作り上げる事が出来る、というだけで、本質的には鉛筆を使って自分の作りたい物の絵をノートに書ける、ということと違いはありません。設計が出来ない人間がCADを使って物を作っても、それがまともに機能することはまずありません)

僕がCADについて自分から調べてみたのは、CADが使えるエンジニアになりたかったからです。
今ではそれは、(CADを使って)優れた設計が出来る設計者になりたい、という希望と替わっています。

これから、僕などは比較にならないくらい頑張っている外国の若者が日本にやってきます。
彼らは必死です。自分の人生をかけて勉強しています。

「使える人材」になろうと必死にならないと、確実に負けます。
日本は自由の国です。平等をうたっています。仕事が出来る、やる気を持った若者は企業から歓迎されます。その人の国籍など関係ありません。

「外国人は人件費が安いから仕事に就ける」のではありません。
彼らが熱心に自分のスキルを高め、「使える人材になろう」と、とてもとても努力しているからです。

今の日本人の若者は根本的に勘違いしています。
「仕事が出来ない人間」に良い就職先などありません。
「仕事が出来る人材になろうとしていない人間」ならもっとです。
日本の学生はもっと危機意識を持った方が良いです。
「仕事が出来なくてもなんとかなる」時代は終わりました。

自分のスキルを高め、社会の役に立てる「人材」になろうとしなければ、就職先など見つかりません。
「自分は努力した」事はそれほど重要ではないかもしれません。
「努力して、その結果使える人材になれた」という結果で評価されます。

厳しいですね。
これから、もっと厳しくなりますよ?

うちの団体は「使える人材になろう」とする人にとっては比較的良い環境が整っています。
でも、使える人材になろうとしない人、そのための努力を嫌がる人にとっては居心地が良くないかもしれません。
それを不条理だと思う人は、きっと、これからの世界で苦労します。

自分から努力することは、評価の対象になるかは別にして、とても大切な事です。
「勉強」は学校の授業で教えてもらったことを覚えること、などと言っている人は確実にアウトです。

自分の目指す姿を見つけて、それに近づくための努力が、「勉強」なのではないかと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

うん、さすが。
我々教員側も、その期待に応えるべく、教育改革に邁進しています。

まだ外に出せる形にはなってないですが、( '-' )フフフ
この春から、またまたやっちゃうよん♪
和歌山大の学部・大学院に来たらやれることを拡充中ですが、今回はそれ以外にも、国内の他大学・海外から、短期で受講できるシステム(有料ですが(笑))を考えています。

でも、「今の日本(の宇宙開発)にとって必ずや必要となる」内容を提供します。
お楽しみに!

3次元CADの中の人 さんのコメント...

匿名 先生

いつもお世話になっております(笑)

夜中に勢いで書いた文章なのでお恥ずかしい限りです。

何かやっちゃいますか。
楽しみです。

僕のように先生に軌道をねじ曲げられる(?)学生が増えてくれるように祈ります。