2009年4月5日日曜日

成功可否

まともなネタ振りが来ましたね.久々にロケットの話ができます.

小型ロケットに限った話ではなく,ロケットのお仕事は「荷物を上まで持っていく事」だと思います.持って帰ってくるのはまた別のお話かと.小型ロケットの場合はどちらかといえば完全再利用型の機体に近い運用をしているだけで,上昇過程で使ったものを全て持って帰ってくるだけ.
とどのつまりは,

「きちんとエンジンが機能して,打ち上げ時のストレスに機体が耐えて,姿勢を乱すこと無く上昇し,荷物を予定していた頂点高度まで運ぶ事ができれば」

打ち上げ成功ではないでしょうかね.これだけでも結構大変だと思いますよ.そこから先は本来回収ステージのお仕事なので,ロケットの仕事とはまた別になるんじゃないかなあ,とか思います.言うなれば「回収成功(失敗)」ですか.

エレキの人は「荷物が上に行ってから」が本来お仕事ですし(ウチの場合はバス計器が殆どなので事情が違いますが),帰ってきて満足なデータが回収できれば,「取得成功」が来るのではないかなあ,と.
特にバス計器屋など「打ち上げも回収も失敗しましたが取得に成功しました」というよく分からない事が発生することがあり得るのが面白いところで.(17の取得は成功したんですかね?)

ロケットは多数のコンポーネントの集合体(システム)ですから,それぞれに成功/失敗の判断はあるでしょう.勘違いの原因はそれを一括りにして,ブースタ屋の興味の本質であるところの「打ち上げ」という言葉ばかりが一般的になっているせいなのかなぁ,と思います.

以上,ブースタ屋の意見.

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実は個人で持っているmixiの日記でも書いたネタなんですが.
どうやら科学技術立国を自称し世界で四番目に衛星を打ち上げた事のある我が国では,衛星という物について根本的な勘違いをしてらっしゃる方が少なからずおられるようで・・・.

こういう勘違いは無関心から来るものなんでしょうね.科学に無関心な国民が科学技術立国などという看板を維持できる訳が無いと思うのですが,どうでしょうか.

ネタ元は松浦晋也のL/Dなんですがね.
:宇宙開発ウォッチを専門にされているノンフィクションライターの方の大変良質なBlogです.

あえてここでは何も言わないので,もし万が一(こんな場末のどうしようもなくニッチなBlogを見ている人の中にだけは絶対いるわけ無いけど)「テポドンがこっち向かって飛んでくる事に何の必然性も感じない」人が居たら4月2日のエントリ「ロケットはどこまでも上へ、上へと宇宙の彼方に突き進んでいく…わけではない」を見てください.

必要悪,であるところのブースタ屋からのお願い.

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